未来を考える前提となる動かしがたい事実「未来の年表 ~人口減少日本でこれから起きること~」

数日前、朝、出勤してメールをチェックすると、「書評辞めちまえ!」的なアレなコメントが投稿されたという通知が届いていた。誰も読んでおらず、ぜんぜん更新もされず、むしろまだ辞めてなかったの?と言われても仕方のないようなこのブログに対して「辞めちまえ」とコメントするというツンデレな応援を受け、心機一転、もっと面白い本のことを書かなければという気持ちになった。
そこで、今年の必読書と言われているこの本について書こうと思った次第である。

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ほぼ確実な未来のカレンダー

この本は、題名のとおり、今後、日本で起きることを、時系列に沿って、体系的に記述した本である。2016年から2115年までの100年間に起きる出来事が「カレンダー」として記載されている。
今年の必読書と言われているらしい。

予測が難しい未来について独自の視点から予測したりするのではなく、特定のテーマに絞ってああだこうだ議論するのでもない。
人口予測に基づいて、今後起こることが冷静かつ客観的に記述されている。
人口の予測は確実性が高いと言われているので、この年表の内容も確実性が高いものと考えて良いようだ。

未来についてどのような議論するにしても、その前提として、本書に書かれてあることが出発点とされなければならない。だから必読書なのだろう。

高齢者がどっと増え、その後、人がいなくなる

「未来の年表」は、2016年、出生者数が100万人を切ったところから始まる。

その後、高齢者はどんどん増え、2024年には3人に1人が65歳以上となる。
これに伴って、認知症患者の人数もどんどん増える。

高齢者は亡くなるが、出生は増えないので、人口は減る。
2025年にはついに東京都でも人口が減り始める。
地方から百貨店が消える。
空き家が増える。
今いる人たちが年をとり、加速度的に高齢者が増えた後、その人たちがいなくなると、あとには誰もいなくなるのだ。

2050年には、なんと、現在人が住んでいる場所のうち20%は人がいなくなり、60%以上は人口が今の半分以下になるという。
今あなたが住んでいる場所も、人口が半分になる程度の減少で済めばまだマシな方なのだ。
そして、2115年には、5055万5000人まで減る。

本書では、さらに、人がいなくなった地域で、入れ替わりに外国人が増える可能性も指摘されている。

本書の後半では、このような未来の年表を踏まえて、日本が採るべき対策として、「日本を救う10の処方箋」が提案されているので、ご覧いただきたい。

今後を考える

動かしがたい事実

数年前まで、人口は増え続け、都市は広がり続けてきた。
今、それがストップした。
人口増が再開することはない。
今後は、今いる人たちが年をとり、そしていなくなる。
今いる人たちがみんないなくなったら、人口5000万人の日本が待っている。
それが動かしがたい事実なのだということを本書は認識させてくれる。

この動かしがたい事実は動かしがたい事実として受け入れた上で、考える必要があるようだ。

人口が増え、都市が広がり続けることを「良し」と考えるのであればこれは悲劇であるが、今後の人生を泣きべそかいて生きるのはイヤなので、ポジティブに考えたい。

人が減り、都市が縮小し、空き家が増える。
ということは、郊外の家なんかそのうちタダ同然で手に入るに違いない。
今から郊外の家なんか買ってはならない。

高齢

当面は、高齢者が増える。
認知症も増える。
となると、高齢者向け事業、認知症の患者のための事業は安泰に違いない。

葬儀・相続

亡くなる人も増える。
本書によると、2039年には死亡者数がピークを迎え、深刻な火葬場不足が見込まれるそうだ。
葬儀・相続関係はまだまだ忙しくなるに違いない。

外国人

在日外国人は増えそうだ。
どれくらい増えるかは政治的な意思決定が絡むので予測が困難だが、今でもなし崩し的に増えている。
今後、急激に増えるかゆるやかに増えるかは分からないが、いずれにしても増え続けることは間違いなさそうだ。

今年の必読書

このように、本書は、今後を考えるための大前提として把握する必要のある確実性の高い未来の出来事を、改めて冷静かつ客観的に理解させてくれる本である。
あなたがまだまだ生きる予定の日本人であれば、本書は本当に今年の必読書である。