勉強ができる人が考えていることをトレースする「知の整理術」(by pha)

本書は、著者であるphaさんによる、勉強法に関する本である。
本書は、「phaさんが、なぜ、何だかんだ、うまくいってるのか」という、問題提起を行い、それに答えるものである。ちょっとこそばゆい問題提起だが、著者の学歴や経歴・活躍を考えると、どのようなことが書いてあるのか気になる本である。

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めんどくさいの力

本書で紹介されている勉強法自体はそれほど珍しいものばかりではないが、説得力があるのは著者のスタンスだ。著者は、著者がうまくいっているのは、人より我慢強さがないため、しんどいことを避ける方法を知っており、また、勉強を楽しむやり方も身につけていたからであるという。
著者は、めんどくさいという気持ちや惰性が強敵であるという。

「めんどくさい」とか「惰性」とか、今までの習慣をそのまま続けようとする習慣、こいつらの力はかなり強い。(8頁)

そして、これを克服するためには、習慣の中に勉強を取り込んでしまうなどして、習慣の力を使うべきだという。

僕が好きなことわざは、「門前の小僧習わぬお経を読む」だ。(10頁)

私が好きなことわざは「鴨が葱背負って来る」だが、「門前の小僧習わぬお経を読む」も好きになった。

楽しんでいる人をコピーする

著者は、勉強を楽しんでするべきだといい、そのコツとして、それを楽しんでいる人になりきることが有効だという。

人間の脳の中には、「ミラーニューロン」という、他人の行動をマネしたり共感したりするための神経回路があると言われている。他人の行動を見たり話を聞いたりすると、ミラーニューロンを使ってその他人が行動しているときの感覚を自分の中に取り入れることができる。このミラーニューロンを使うのが、学習には大事なのだ。(26頁)

なるほどと思うが、これって例えばどういうことなのか、実際やってみようとするとちょっと難しい。英語の勉強に関していえば、英語を楽しんで勉強している人をトレースする、という感じだろうか。

興味を持つ

著者は、インプットを高めるためには、対象に興味を持つことが大事だという。当然だと思うが、そのような興味を持つことが難しいときもある。
そんなとき、著者は、このような方法を進める。

そういうときに考えるといいのは、「自分にとってどんなにおもしろくなさそうな物事でも、それをおもしろがってやっている人間がたくさんいる」ということだ。だからこそ、そのジャンルは世界に存在している。(66頁)

確かにそのとおりだ。今、バッタの研究をしている人の本を読んでいるが、バッタの研究をおもしろがってやっている人間がいるなど考えたこともなかった。バッタについて勉強しなければならなくなったときは、ぜひ、バッタ博士の存在を思い出し、バッタ博士をトレースしてなりきって勉強したい。

本は自分を映す鏡

読書についても、著者は、心強いことを言ってくれている。
本は、読み手側の想像で埋める部分が大きいので、「自分を映す鏡」である。どこに注目するか、どこが印象に残るかも、そのときの読み手によって異なるが、それでいいのだ、と言ってくれている。

要は、「みんな自分の見たいものしか見ない」ということでもある。読書なんてものはそういうものだし、それでいいのだ。(108頁)

最近、読み始めた本を最後まで読めず、また別の本を読み始め、さらにその本も最後まで読めず、という感じで、読みかけの本が大量に貯まっている。これじゃあだめだと思って頑張って読もうとしていたけれども、読みたいことが書いてないから読み続けられないのかも知れない。そんな読書状況は、自分を反映していたのかも知れない。まあでもそれはそれでいいのだろう。

ツイッター、ブログ

著者はアウトプットの重要性にも言及するが、具体的にアウトプットをするための方法についての話が面白い。
アウトプットが面倒なときは、まず、雑でもいいので、頑張ってツイッターで思いついたことを投稿する。それを続けるだけで一定のまとまった文書になることもあるが、そんなこと考えなくてもいいので、とにかく投稿する。
これはすごくいいと思う。アウトプットが面倒な自分にはぴったりだ。

そして、ある程度まとまった話をアウトプットするのは、ブログだという。著者のブログの位置づけがすばらしい。

そこで、基本は自分用だけれど他人の目も少し意識する、という中途半端なスタンスが取れるのがブログのいいところだ。
要は、ブログは「他人に見られてもいい自分用の勉強ノート」だ。(144頁) 

他人に見られてもいい自分用の勉強ノートだと考えると、今後、自分のブログもはかどりそうだ。

勉強について考えたい人にお勧め

このように、本書は、勉強についての著者の考え方やアイデアが様々語られている本である。著者の考え方を参考にして勉強について考えてみたい、という方におすすめである。